アクリル板って何? そんなに特殊な材料なの?
新型コロナウイルス感染防止として、レストランなどのテーブルの上に置かれた飛散防止用の透明な板が「アクリル板」と呼ばれていますが、実際の材質がアクリル板かどうかは疑わしいところです。 ではなぜ「アクリル板」と呼ばれていたのでしょうか。おそらくガラス板と同じような透明度を持った樹脂板の代名詞が「アクリル板」だからだと思います。
透明度を示す可視光透過率を次に示します。
・ガラス板=90%
・アクリル板=93%
・ポリカーボネイト=85%
アクリル板はガラス板より透明度が高いことが分かります。このことから大型水槽やプラスチックレンズ、そして映像機器などの多くの光学系製品にアクリルは使用されています。
項目 | 破断時伸び | 衝撃強さ |
---|---|---|
単位 | % | J/M |
PMMA | 2-5 | 11-12 |
PC | 110-120 | 650-854 |
PET | 30-300 | 14-37 |
※衝撃強さはアイゾットノッチ付き
※PMMA=アクリル板、PC=ポリカーボネイト、PET=ポリエチレンテレフタレート
上の表をご覧ください。
アクリル板の衝撃強さは一般的なガラスの10倍以上ですが、ポリカーボネイトは、その約50倍の強さを有しています。そして破断時伸びを見るとアクリル板は、数%の伸びしかなく、ポリカーボネイトとは比較になりません。
このことからアクリルは衝撃を受けると曲がらずに割れてしまいます。だからスマホケースや多くのカバーはアクリルではなくポリカーボネイトが使われています。アクリル板は、光特性は最高性能だが脆くて割れやすい特性をもっています。